2013年3月23日土曜日

かみなが姫 宮子姫の像

JR御坊駅の東側の踏切近く、御坊駅と道成寺の間にあります。

台座のプレートには和歌山県出身の作家、有吉佐和子さんの文が記されています。
 

 道成寺縁起について

和歌山県日高郡にある道成寺は謡曲や日本舞踊でおなじみの名刹ですが能も踊りも安珍清姫の伝説によっているのを 私はつねづね残念に思っていました
道成寺は文武天皇の勅願寺でその縁起はこの『かみなが姫』の物語がもとなのです
 道成寺に残る資料によれば 日高の村長に生まれた女が母親の犠牲によって丈なす黒髪に恵まれ やがて藤原不比等の養女になって入内し 文武天皇の妃とな り聖武天皇を出産した事になっています そのため道成寺は女人開運を祈願するお寺として有名でありましたし寺格も高いものだったのですが 数百年たって清 姫が飛び込んで放火してからすっかりその話におかぶを奪われてしまいました
しかし、私は清姫の火の恋よりも この縁起にみられる母の祈りや いかにも南紀らしいおおどかな風土を感じさせる髪長姫の物語の方が はるかに美しく思われますし好きなのです その気持ちが私にこの筆をとらせたと言えるようです

在東京  有吉 佐和子
     和歌山県出身




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